希少なオプティマスNo.00 Patent の出品です。製造は1920～1930年代でしょう。同じPatent仕様でも、1920年代前半までは固定の丸脚（よくbun feetと呼ばれます）でしたが、1920年代後半には出品物と同じく、折り畳み脚が登場しました。タンクの刻印は、コレクターが憧れるSTOCKHOLM です。後にUPPLANDS VASBYになりますので、ディープコレクターにとっては嬉しい部分でしょう。バーナーはヘッドにあるのは、英字はOPTIMUSの刻印のみです。この時期に作られたストーブの特徴です。予熱皿もディンプル（くぼみ）のあるもので、ストーブ本体の生産時期と一致します。収納缶は青缶の中でも、回転式のロック機能が付いたモデルで最初期のものです。前述の通り、タンクはSTOCKHOLMの刻印ですが、缶はUPPLANDS VASBYになります。一見、詳しくない方から見れば、この組み合わせは時代的にどうなの？と思うかもしれませんが、まったく問題ありません。UPPLANDS VASBY缶の初期には、このSTOCKHOLMタンクが収納されていました。安心してください。それでは状態について説明しましょう。タンク本体は、丁寧に磨きました。Patentや角ばったOPTIMUSの刻印が個性的で上品です。コレクターには堪らないですね。上面にへこみはありませんが、パンサポートの差込口１ケ所にへこみがわずかに見られますが（写真6枚目参照、OPTIMUSロゴのM下あたり）、上からの重さで出来たもののようで、パンサポートを差し込んでも内側に傾斜したりせず、直立しますので実用上の問題はまったくありません。ここはポイントです。一度でも無理にパンサポートが内側（タンク側）に押されてしまうと、タンクの差込口部分に内側へのへこみが出来てしまいます。出品物のように上からの力で出来たわずかなへこみであれば、パンサポートは直立しますので、鍋等も安定して置けます。出品物のような極僅かなへこみならば書かない出品者も多いかと思いますが、コレクターが気にする部分であり、私もコレクターですので書かせていただきました。タンク裏には１ケ所、１センチ程のわずかな線傷（１ミリ程度）が見られますが、これも磨かなければわからなかったでしょう。バーナーは磨きを掛けました。変形等ありません。風防（ウインドシールド）は縦にスリットが入ったTear-drop(しずく型)です。鉄製ではありますが、薄い錆こそあれ、減ったりなどしていません。パンサポート（3本）も表面の汚れ、錆のみです。スパナが付属します。アルコールボトルは比較的よくイラストが残っています。燃焼は良好で、火力も充分です（整備したからです）。この年代のものはポンプバルブが通常鬼門ですね。鉛のパッキンなど使用されていないので、大概固着しています。経験の浅いコレクターが無理に外そうとするとかなりの確率でバルブの頭を舐めます。私は高性能なバルブレンチを使用しますので、ほぼ無理なく外せます。出品物は案の定固着しておりましたが、丁寧に外しました。ポンプバルブの内部ではコルクが使われていましたので、完全に当時のものですね。変にいじられていなくて幸いでした。もちろん鉛パッキン付きの新品に交換しました。必要以上に締めこんでいないので、後年整備の際は楽でしょう。と言ってもこの部分はしばらくメンテナンスする機会は無いと思いますが。オプティマスNo.00 Patentもここ10年程はあまり見なくなりました。現存数が確実に減って来ているのでしょう。90年の時を超え、出品物の元気に燃焼する様子や燃焼音を聞いていると歴史を感じているためか、嬉しい気持ちになり、自然とニヤニヤしています。後年の00もいくつか持っていますが、Optimus Patentを燃焼させた時と気分の高揚はまったく違いますね。何となく世界のコレクターがPatentモデルを求める気持ちがわかるような気がします。コレクターの入札、お待ちしております。